さいたま市 浦和の小児科・アレルギー科・内科
元大学病院小児科医局長、小児専門医が診療
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生まれたばかりの赤ちゃんに
ビタミンKの毎週内服を!
●赤ちゃんがK2シロップを3回内服するのはなぜ?
生まれたばかりの赤ちゃんは、出生時・生後1週間(産院退院時)・1ヶ月健診時の3回、K2シロップ(ビタミンK)を内服してますね。
なぜだかご存知ですか?
生まれてから3ヶ月まで(約13週間)の赤ちゃんは、様々な理由によりビタミンKが不足しやすいのですが、母乳中にはビタミンKが少ないため、特に完全母乳や一部ミルクの方は不足しやすいという調査結果が出ております。
赤ちゃんにビタミンK不足にすると脳内出血が起こります。
脳内出血が起こると緊急手術を行いますが、残念ながら6人に一人は亡くなり、命が助かっても2分の1の確率で重大な後遺症を残します。
1980年までは全国で100人以上の赤ちゃんがビタミンKの不足による脳内出血を起こしていました。
このため厚生労働省は出生直後1ヶ月以内に計3回ビタミンKを経口投与するよう、強く指導しております。
近年、脳内出血を起こす赤ちゃんの数は減ってきましたが、まだゼロにはなっていません。
●海外での対応
海外では、日本よりもビタミンKを多く投与する方法が採用されています。
海外で採用されている方法は次の3つです。
①生まれてすぐにビタミンKの筋肉内注射をする
②ビタミンKを生後3カ月まで毎日飲ませる
③ビタミンKを生後3カ月まで毎週飲ませる
そして、このような対応をしている国ではビタミンK欠乏性の脳内出血は事実上ないことが分かっています。
●日本でもビタミンKの毎週投与へ
日本でもビタミンKを出生児から3ヶ月まで、毎週1回投与する方法が全国的に普及しつつあります。
日本小児科学会もビタミンKを毎週飲ませる方式を検討することになりました。
●K2シロップとは?
K2シロップは新生児用のビタミンKのお薬です。
ビタミンKは脂溶性ビタミン(尿中に排出されない)ですが、蓄積性がないため、他の脂溶性ビタミンのような中毒をおこしません。
1回分は1mlと少量です。
フルーツ風味のシロップです。
アルミパックで1回分ずつ個別包装されていますので分量を計る手間がなく、室温で保存できます。
●あべ小児科ファミリークリニックでは
阿部修院長は、都内大学病院のNICUで、たくさんの生まれたばかりの新生児を診察してきました。
脳内出血の予防のために、出生児から3ヶ月まで、ビタミンKの毎週投与は大変有効です。
当院では赤ちゃんの健やかな成長を願い、新生児の方に毎週内服する分のビタミンKシロップをお渡ししております。費用はかかりません。
ご不明な点がある方、毎週投与をご希望の方はクリニックにお電話にてお問い合わせください。
その他お困りのことがあれば、どんな小さなことでもご相談にいらしてください。
注1)全人工乳の方はビタミンKがミルクに十分含まれているため、ビタミンKの毎週投与の必要はありません。
注2)ビタミンKのために、母乳栄養をやめたり、人工乳を増やす必要は全くありませ