さいたま市 浦和の小児科・アレルギー科・内科
元大学病院小児科医局長、小児専門医が診療
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年長さんで受ける予防接種は?
答え;MR、おたふく、三種混合、ポリオです。
新たに加わりました。
ワクチンで防げる病気(VPD:vaccine preventable diseases)はワクチンで防ぎましょう!
院長からのお話です↓
予防接種には定期予防接種と任意予防接種があります。
定期接種は市から予診票が送られてきます。
こちらは公費(税金)で賄われる予防接種で、無料です。
任意予防接種は言葉通り任意です。
定期予防接種も任意予防接種もどちらも重要な予防接種です。
日本小児科学会より推奨されている主な任意接種は以下のものになります。
・おたふくかぜ(1歳と年長さん)
・三種混合(DPT;ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)))(年長さん)
・不活化ポリオ(IPV)(年長さん)
・季節型インフルエンザ(6ヶ月齢頃から毎年11月頃)
昨今の病気の流行などを鑑みて(後述)、当院の年長さんのワクチンスケジュールに、任意予防接種の三種混合とポリオが加わりました。
年長さんで受ける予防接種は定期予防接種のMR(麻疹風疹)、任意予防接種のおたふく、三種混合、ポリオの4つになります。
ちょっと大変ですが、ワクチンで防げる病気はワクチンでしっかり防ぎましょう。
インフルエンザが流行り始める前の夏までに、年長さんのワクチンを接種して小学校に上がる準備をしておきましょう!
三種混合やポリオワクチンを接種しそびれている方は、小学生になっても接種可能ですのでご相談ください。
三種混合やポリオワクチンを接種しそびれている11〜12歳の方は、定期予防接種の二種混合を接種する代わりに、任意予防接種になってしまいますが三種混合とポリオを接種することも可能です。
わからないことがありましたら母子手帳をお持ちになり、遠慮なくご相談ください。
それでは、三種混合とポリオについて詳しく説明していきます。
三種混合ワクチン
小学校入学後の百日咳の患者様が増えています。記憶に新しいところでは、2019年に千葉県で集団発生がありました。
百日咳ワクチンは、4種混合に含まれ、赤ちゃんの時の定期接種で4回までは接種済みです。
※4種混合ワクチン(DPT-IPV)とは、ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)
しかしながら、接種から時間が経つと、抗体価が徐々に低下し、再び百日咳発症のリスクにさらされます。
この抗体価は、5回目接種により高く維持することができます。
以上のことから年長さんの時期に5回目を接種することが推奨されています。
不活化ポリオワクチン(IPV)
国内ではポリオ患者は報告されておりませんが、一部の国ではいまだにポリオ発症が報告されており、旅行者などがウィルスを日本に持ち込むリスクがあります。
来年は東京オリンピックがひかえていますね。
不活化ポリオワクチンは、4種混合に含まれ、赤ちゃんのときの定期接種で4回までは接種済みです。
しかしながら、百日咳と同様で、接種から時間が経つと、抗体価が徐々に低下し、再びポリオ発症のリスクにさらされます。
この抗体価は、5回目接種により高く維持することができます。以上のことから年長さんの時期に5回目を接種することが推奨されています。
おまけ;年長さんで3種混合(DPT)と不活化ポリオ(IPV)を接種するなら4種混合(DPT-IPV)ひとつ接種で良いのでは?と思われた方がいらっしゃるかと思います。
現在、日本では4種混合は4回までの接種しか承認されておらず、5回目の接種は承認されていないため、医療行政上のお話で申し訳ありませんが、3種混合とポリオを別々に接種する必要があります。
ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぎましょう。
病気になったら、抗体がつくからいいわよねとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、
高熱になりインフルエンザや溶連菌の抗体検査(喉や鼻に綿棒をいれる検査)では原因がわからなかった場合、血液検査をすることになります。
またお子様がかかった病気が感染症だった場合、予防接種を受けたくても受けることができない学校のお友達、赤ちゃん、おばあちゃまにうつしてしまうことを考えると、お子様がワクチンを接種することは社会的に大切なことです。
わからないことがあれば、遠慮なくお問い合わせください。